薬局ヒヤリ・ハット共有すべき事例(2021年No12)
調剤・後発品への不適切な変更
【事例詳細】
グラセプターカプセル0.5mgと1mgが処方されたが、在庫がなく、同成分を調べたとこタクロリムスカプセル0.5mg「ファイザー」、1mg「ファイザー」が在庫されていたため、調剤。その後、3回応需したが、いずれも同様に調剤。
【推定される要因】
同成分であり変更が可能であると誤って判断した。
【薬局での取り組み】
ハイリスク薬の学習を行い、知識の向上に努める。薬品マスタを変更し、徐放性製剤には「徐放性あり」と表示する。
【機構からのポイント】
グラセプターは1日1回の徐放性製剤。今回調剤されたタクロリムスカプセル「ファイザー」は普通製剤であるプログラフの後発品。
疑義照会・処方医への情報提供、投与量
【事例詳細】
エスワンタイホウ配合OD錠T25 1回1錠 1日2回 朝夕食後 28日分の処方。処方箋に添付された体表面積1.43m2、eGFR102mL/min/1.73m2であった。通常の初回投与量より少ないため疑義照会。エスワンタイホウ配合OD錠T25 1回2錠 1日2回 朝夕食後 28日分へ変更となった
【推定される要因】
処方する際、1回量と1日量を間違えて入力した可能性
【薬局での取り組み】
体重や体表面積から用量を設定する薬剤が処方された際は、処方箋や患者から得た情報をもとに用量の妥当性を検討する。
【機構からのポイント】
医療機関が処方箋に検査値等を添付し保険薬局に情報提供したことにより、薬剤師g投与量の妥当性を検討し疑義照会を行うことができた事例である
疑義照会・処方医への情報提供、同効薬の重複
【事例詳細】
エリキュース錠を服用していた患者が3カ月ぶりに来局し、エリキュース錠とリクシアナ錠が処方された。処方医に疑義照会をしたところ入院中から2剤併用していたと返答があったが、疑問が残ったため、薬剤部に問い合わせ、エリキュースからリクシアナへ変更になったことを確認した。
【推定される要因】
電子カルテの操作ミス
【薬局での取り組み】
お薬手帳や患者から情報を収集し、処方内容の適否を検討する。
【機構からのポイント】
退院時の処方薬がお薬手帳に記載されていたため、退院後の処方内容を照合することができ、疑義照会を行った事例。エリキュースとリクシアナはいずれも抗凝固薬。