さくっと新薬

新薬の情報をシンプルにまとめたい 研修、勉強なども 薬局薬剤師の参考になれば

薬局ヒヤリ・ハット共有すべき事例(2022年No2)

交付時の患者間違い

【事例詳細】

同じ名字の患者が2人いた。薬剤師は患者Aをフルネームで呼び、カウンターでもフルネームで確認をしたが、患者の反応はなく。薬を見せながら説明を行い、お薬手帳と一緒に薬剤を交付した。その後、患者Aから待ち時間が長いと訴えがあったため確認すると間違って患者BにAの薬を交付していたことがわかった。

【推定される要因】

同姓の人が待合室にいる場合は処方箋に付箋をつけることになっている。付箋はついており薬剤師も中止していたが、防ぐことができなかった。

【薬局での取り組み】

高齢の患者は耳が遠い場合があることに留意する。

【機構からのポイント】

同姓ではなくても音が似ている氏名などの聞き間違いは誰にも起きる可能性がある。氏名をはっきりと伝える必要があるがプライバシーの問題もある。引換券や受付番号の活用は有用である。

疑義照会・処方医への情報提供、投与量

【事例詳細】

フォシーガ錠5mg 1日1回 1回1錠が処方された。投与量から糖尿病の治療と推測したが、付き添いの高齢者施設の看護師に確認したところ、心不全の治療目的として追加された。疑義照会にて10mg 1日1回 1回1錠に変更になった。

【推定される要因】

処方医が、慢性心不全の用量を知らなかった可能性。オーダー間違いの可能性。

【薬局での取り組み】

初回の薬剤を調剤する際は、処方内容と合致するかを検討する。

【機構からのポイント】

効能効果の追加に伴い、用法用量や重要な基本的注意などが変更になることがあるため、その都度、添付文書やIF、RMPなど、最新の情報の収集に努める必要がある。

疑義照会・処方医への情報提供、同効薬の併用

【事例詳細】

関節リウマチのため、プログラフ、プレドニン、メトトレキサートが処方されている患者に、リヴォック錠7.5mg 1回1錠 1日1回が初めて処方された。電子薬歴システムへ入力した際に併用禁忌のアラートが出たため添付文書を確認すると、タクロリムスと併用しないことと記載されていた。さらに、製薬会社に問い合わせたところ、プレドニン、メトトレキサートとの併用実績はあるが、プログラフとの併用実績はなかった。処方医に伝えたところ、プログラフが削除となった。

【推定される要因】

用法及び用量に関連する注意には記載されているが、警告、禁忌には記載されていないため、気づきにくい。

【薬局での取り組み】

添付文書の警告や禁忌の項目だけでは併用の適否を判断することが難しい場合があるとわかった。情報が足りない場合は、製薬企業からも情報を集める。

【機構からのポイント】

添付文書の情報だけでは不十分と考え、積極的に情報収集を行った好事例である。