薬局ヒヤリ・ハット共有すべき事例(2022年No10)
【調剤】一包化における薬剤間違い
【事例詳細】
カルベジロール錠10mg「サワイ」を含む11種類の薬剤が42日分処方され、自動錠剤分包機で一包化調剤を行った。鑑査時、5包にカルベジロール錠10mg「サワイ」ではなくデュタステリド錠0.5mgAV「DSEP」が混入していることに気づいた。
【背景・要因】
以前、別の患者でデュタステリド錠0.5mgAV「DSEP」を、自動錠剤分包機に再充填する際、誤って、カルベジロール錠10mg「サワイ」の錠剤カセットに充填した。
薬剤師2名で目視にて充填する手順であったが、この時は1名で行った。
【薬局での取り組み】
錠剤カセットへ薬剤を充填する際は取り決めた手順を守ることを改めて周知する。
【機構からのポイント】
一度分包した薬剤を分包紙から取り出し自動錠剤分包機へ再度充填する場合は、薬剤の刻印・印字から薬剤名を特定したうえで、複数人で確認することが重要である。
【疑義照会】病態禁忌
【事例詳細】
ゾルピデム酒石酸塩錠10mg「テバ」が処方された患者から、肝障害があることを聴取していたため、処方医に重症度を確認したところ、肝硬変であることがわかった。同薬剤は禁忌であることを処方医へ伝えたところ、トリアゾラム錠0.25mg「日医工」に変更になった。
【背景・要因】
処方医は、ゾルピデムが重篤な肝障害に禁忌であると認識していなかった可能性がある。
【薬局での取り組み】
患者の病態や腎機能、肝機能等を把握したうえで監査を行う。
【機構からのポイント】
日頃から患者の既往歴・現病歴や検査値などを把握しておくことが重要である。
【疑義照会】医療機関変更時における処方間違い
【事例詳細】
紹介状をもって医療機関Aを受診した患者にヒダントールFが処方された。薬局の利用は初めてであり、お薬手帳の持参がなく薬剤服用歴を確認することはできなかった。「ヒダントール」の名称を含む薬剤は複数存在するため、医療機関Aに問い合わせたところ、紹介状には規格等の記載がないと回答された。紹介元のクリニックBに問い合わせてヒダントール錠100mgと同定し、疑義照会により処方変更となった。
【背景・要因】
処方医や薬品マスタに登録されていたヒダントールF配合錠を選択した可能性がある。
【薬局での取り組み】
複数の規格等がある薬剤が処方された際は、処方薬が適切に継続されているかを確認するため、情報収集を行うよう周知した。
【機構からのポイント】
ヒダントールを販売名に含む薬剤は、単剤の他に配合剤が3種存在する。