さくっと新薬

新薬の情報をシンプルにまとめたい 研修、勉強なども 薬局薬剤師の参考になれば

健康サポート薬局研修を受けました

都道府県薬剤師会が実施している技能習得型研修A、Bについて

NPhaが実施している研修とは異なります。

都道府県によっても、内容が異なると思いますので、そちらもご了承ください。あくまでご参考までに。

1. 申込方法

  都道府県薬剤師会にメールにて申込

2. 抽選結果

  締め切り後、約1週間以内を目安にメールにて連絡。受講料の振込口座もこのメールで指定。

3. 事前準備

  メールにて準備内容の指示があり。

  (1)「ご自身の生活圏の医療・保健・健康・介護・福祉等の関係機関について、その有無・所在・規模等を予め把握」と漠然とした指示。

  (2)および、eラーニング研修の「要指導医 薬品・一般用医薬品販売における基本姿勢」「セルフメディケーション支援のための薬局での対 応・一般用医薬品等の選択」の2つの講義を事前に受けておく。

  (3)実際のOTC医薬品の添付文書について、どのような記載内容があるか確認しておいてください(1~2例で可)。

  (4)自薬局で取り扱いのあるOTC医薬品のうち、鼻水の症状に適用のある品目のリストを作成し、研修会当日持参してください。

 

  この(1)の漠然とした指示が、割といい味出している。会社の研修などであればもっと具体的に指示を出すはず。「近隣の医療機関、区役所、地域包括ケアセンター、地域連携室などの所在地を調べておく」など。ただ、漠然とした指示のおかげで何をどれだけ調べればいいかわからない上に、何がわからないかわからない状況になるため、より広く深く調べるようになり、知識が広がる。それを意図しているのかは不明だが。

4. 研修内容・A (9:00~13:30)

  標題「健康サポートのための多職種連携研修」「健康サポート薬局の基本理念、地域包括ケアシステムにおける多職種連携と薬剤師の対応」

午前の研修は主に、健康サポート薬局とはなんぞや、という研修。定義、国の求める姿から個々の薬局の取組内容の発表など。

また、上記のメールでの漠然のした指示の真意がここで明らかになり(これは個人的な読解です)、なるほどなと感じた。

グループワークをして、その在り方、自分に何ができるかを考えさせる研修となっていた。

5. 研修内容・B (14:00~18:30)

  標題「健康サポートのための薬剤師の対応研修」「薬局利用者の状態把握と対応」

午後の研修は各論といったところ。OTCの相談対応、販売業務に関する研修。

ドラッグストアで勤務したことがある人であればなんてことない内容。ただ、研修に来ている人はOTC販売経験がない方も多いので新鮮な経験になった模様。

6. 受講証明書の期限

  研修AとB、eラーニングそれぞれで受講証明書が発行される。その有効期限は発行より3年間。この3種類の証明書を使って、研修修了証を発行申請する。研修修了証でないと健康サポート薬局の要件にならないため注意が必要。なお、研修修了証の有効期限は発行日より6年間

 

eラーニングはまだ受講完了していないので、ここまでです。

長丁場で、時間もタイト(昼休憩は30分)、かつ日曜日だったので疲れましたが、勉強となるところも多い研修でした。

みなさんのご参考になれば幸いです。

薬局ヒヤリ・ハット共有すべき事例(2021年No11)

『疑義照会・処方医への情報提供、処方日数』

【事例詳細】

腎性貧血80代患者にダーブロック錠2mg30日分が初回処方された。添付文書上、投与開始後Hb濃度が目標範囲で安定するまでは、2週間に1回程度Hb濃度を確認することと記載あり。疑義照会の結果、14日分に処方変更になり、検査のため受診するよう患者に指示があった。

【推定される要因】

処方医の薬剤に関する知識不足

【薬局での取り組み】

添付文書の重要な基本的注意などを読み込んで理解、確認する

【機構からのポイント】

ダーブロック錠1,2,4,6mgは腎性貧血の治療薬。低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害剤。エベレンゾ錠20,50,100mgと同効薬。

重要な基本的注意には、投与中のHb濃度の検査頻度、Hb濃度の急激な上昇に対する注意、血圧のモニタリング、鉄欠乏時の鉄剤の投与などに関する記載がある。

用法用量が複雑で、食事の影響や相互作用にも注意を払う必要がある。

 

『疑義照会・処方医への情報提供、副作用』

【事例詳細】

70歳代患者にルセフィ錠2.5mgが初回処方。1週間後に電話で状況確認したところ、朝食服用しているが、口渇と頻尿(夜間4,5回)の訴えがあった。処方医に情報提供し、他薬へ変更を提案したところ、レパグリニド錠0.25mg「サワイ」へ変更になった。

【推定される要因】

ルセフィ錠2.5mgによる副作用発現の可能性

【薬局での取り組み】

当薬局では、糖尿病薬の初回処方、変更の患者に、1週間後に電話フォローアップを実施している。

【機構からのポイント】

2019年12月に薬剤師法、薬機法改正により、薬剤師は調剤時に限らず薬剤交付後も継続した薬学的管理が求められている。

本事業では「薬剤交付後の患者の状況をもとに処方医へ情報提供を行った事例」について分析を行っている。

http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/report_2021_1_T002.pdf

 

一般用医薬品等、不適切な販売の回避(効能)』

【事例詳細】

アラセナSを購入のため、使用者の代理人が来局。過去に医師による口唇ヘルペスの診断・治療歴がないことがわかったため、販売できないと伝え、医療機関への受診を勧めた。

【背景・要因】

使用者は市販薬で対処できるという認識であったと考える。

【薬局から報告された改善策】

要指導医薬品や一般用医薬品を販売する際は、使用者の症状などの聴取を徹底する。要指導医薬品や一般用医薬品についての知識を深める。

【機構からのポイント】

薬剤師は、要指導医薬品や一般用医薬品の販売が使用者に適しているかを判断するために、店舗で扱っている要指導医薬品や一般用医薬品についての十分な知識を備えておくことが大切である。

要指導医薬品や一般用医薬品の使用で対処できる症状なのかを使用者だけで判断するのは難しい場合がある。使用者がセルフメディケーションを適切に実施するために、症状に合った医薬品の選択や使用上の注意の説明を行うなど、必要な支援を行うことは薬剤師の重要な役割である。

製造販売・効能等追加承認(2021/11/25)

効能等追加

ジャディアンス錠10mg

慢性心不全(標準的な治療を受けている患者に限る)の適応が追加

ハイヤスタ錠10mg

再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫の適応が追加

ロイコボリン錠5mg

プララトレキサート(ジフォルタ注射液)投与時の用法用量が追加

ローブレナ錠25mg、100mg

「ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容の」が削除され、「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の一次治療が可能に

初めて収載された後発医薬品(2021.12.10)

「後発品がない先発品」から「後発品がある先発品」に変更される

これを見るたびに「もうそんなに経ったのか・・・」と思う薬剤師は私だけではないはず

成分名 先発商品名
アンブリセンタン錠2.5mg ヴォリブリス錠
イグラチモド錠25mg ケアラム錠
ソタロール錠40、80mg ソタコール錠
レベチラセタム錠250、500mg、粒状錠250、500mg、DS50% イーケプラ錠、DS
オロパタジン点眼液0.1% パタノール点眼液

レベチラセタムについて

DS50%:「トーワ」(販売元:東和薬品、共創未来のみ)のみ 1g分包品あり。

OD錠:「TCK」のみ

粒状錠:「サワイ」のみ。なお、「苦味を防ぐためフィルムコーティングしているため噛まずに服用させること」

 

今回の収載での適応違いはなし。

R3.11.26の中医協より(調剤報酬改定に関わること)

今回もキーワード、センテンスの抜粋です。

 

調剤料

技術料のうち調剤料が50%を超えている。薬学管理料は20%程度。

 

薬局での調剤業務のステップは

①患者情報等の分析・評価、②処方内容の薬学的分析、③調剤設計、④薬剤の調製・取りそろえ、⑤最終監査、⑥患者への服薬指導・薬剤の交付、⑦調剤録、薬歴の作成など

から構成されている。

このうち、①、②、③、⑥、⑦は、患者の状態や処方内容等に応じた薬剤師による薬学的判断を伴い、対人業務的な要素を含む

 

調剤料とは、処方内容の薬学的分析、医師への問合せ、薬剤調製などに係る技術料を評価したもの。

調剤基本料とは、医薬品の備蓄(廃棄、損耗を含む)、建物、調剤用機器等の体制整備に関する経費。

薬学管理料とは、薬剤情報提供文書を用いた説明・服薬指導、医療機関への情報提供、患者の残薬の整理等の業務に関する技術料。

 

論点:対人業務をより適切に評価していく観点から、調剤料とその加算の在り方をどう考えるか。

 

調剤基本料

処方箋の集中率が著しく高い薬局の調剤基本料の見直し

敷地内薬局等の調剤基本料の見直し 

調剤基本料は医薬品の備蓄等の体制整備に関する経費を評価したものであり、その区分は薬局経営の「効率性」を踏まえて設定している。つまり、集中率が高いということは医薬品の種類が少なくてすむため経営効率がよいということ。

調剤基本料の区分は経営効率性。地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算は薬局の機能に対する評価。

処方箋集中率があがるほど医薬品の備蓄種類は減る。

敷地内薬局の損益率は高い。

令和2年の改定後、20店舗以上のグループ薬局の損益率は増加している。300店舗以上の損益率の増加が最も大きい。

 

論点:同一グループ薬局の調剤基本料をどう考えるか。敷地内薬局の評価をどう考えるか。

 

地域支援体制加算

調剤基本料1とそれ以外では要件が異なる。

基本料1を算定している薬局で、届出が困難な理由として「実績要件」「24時間対応」が多かった。

基本料1以外を算定している薬局では、「実績要件」が多かった。

 

論点:地域支援体制加算と、新しく施行された地域連携薬局等の比較・あり方についてどう考えるか。基本料1とそれ以外を算定している薬局それぞれについて、地域への貢献という観点からどう考えるか。

 

その他

同一薬局の利用促進

在宅患者訪問薬剤管理指導

R3.11.8の財政制度分科会より(調剤報酬改定に関わること)

いくつかのキーワード、キーセンテンスを抜粋します。

財務省から厚労省への意見→これからお互いの考え方のすり合わせ→たたき台を作り→骨子としてまとめ、微調整

という流れになるはずなので、予測と準備はしておくが、先走らないように気を付けたい。

 

「対人業務への転換が求められているが、技術料に占める調剤基本料、調剤料、薬学管理料の割合はほとんど変化しておらず、調剤基本料や調剤料に依存した収益構造は依然として継続している。」

「地域支援体制加算の実績要件と地域連携薬局の要件がリンクしていない。制度化された地域連携薬局に対して調剤報酬上の評価をすることが望ましい。」

かかりつけ薬局・薬剤師以外の処方箋受付における負担のあり方についても検討を深めるべき。」

処方箋の集中率が著しく高い薬局や敷地内薬局については調剤基本料の見直しを着実に進めるべき。」

後発医薬品調剤体制加算は、廃止を含めた見直しをし、減算対象を大幅に拡大するなど減算中心の制度に見直すべき。」

「患者の通院負担の軽減、利便性の向上、コロナ禍でのニーズの増大もあり、リフィル処方を時機を逸することなく導入すべき。」

「多剤・重複投薬、長期処方の課題については、取り組みを強化すべき。診療報酬における多剤・重複処方について、減算等の措置を導入・拡充すべき。」

「自殺対策は大きな課題であり、向精神薬の過量処方を問題視。」

 

調剤に関するところしかピックアップしていない。診療報酬、薬価改定に関わるところもじっくり読んで、有機的につなぎ合わせて、予測・行動をする必要がある。

自分で言っておいてなんだが、下二つは先走りか。こういう動きがあるなら薬剤師がこう動きやすいな、とか。

薬局ヒヤリ・ハット共有すべき事例(2021年No10)

『レセコンの入力間違いによる薬剤取り違え』

【事例詳細】

以前よりベタニス錠50mgが処方されている患者が、今回からベオーバ錠50mgに変更となっていたが、事務員は前回と同じであると思い込みベタニスのまま入力。薬剤師は印刷された薬袋でピッキングし、患者から指摘され発覚。

【背景】

慣れがあり、決められた手順を遵守しなかった。

【薬局からの改善策】

処方箋を見て調剤することを徹底する。レセコンに入力した内容を処方箋と突合する。交付時に患者と一緒に薬剤を確認する。

【機構からのポイント】

両剤とも同じ効能効果。かつ通常1日50mg。販売名1文字目が同じ、一般名も類似。事例が複数報告されている。

調剤は処方箋に基づいてい行うことが基本。似ているリストや、注意ラベルを貼付するなども有効。

私見:個人的には類似名称リストや「他規格あり!」のような注意喚起ラベルはあまり好みではない。棚がそればっかりになってしまう。「絶対に処方箋と照らし合わせる」というルールを無機的に守ればいい。)

 

『患者の生活状況』

【事例詳細】

ラツーダ錠20mg 1日1回1錠 朝食後が初めて処方された。患者から朝食はあまり食べないと聴取した。ラツーダは食事の影響を受けやすいため食後になっていることを疑義照会したところ、夕食後に変更になった。

【薬局での取り組み】

朝食をとらない患者もいるため、食生活について深くヒアリングを実施する。

【機構からのポイント】

適用上の注意:本剤の吸収は食事の影響を受けやすいので、食後に服用するよう指導すること。

(添付文書より、空腹時に比べて食後で、Cmax2.4倍、AUC1.7倍)

 

『同成分の重複』

【事例詳細】

クリニックAよりイルアミクスLD、ラベプラゾール10の処方を応需。手帳は持参していなかったため、帰宅後、電話にて自宅の併用薬を確認したところ、以前入院していた医療機関Bから同一の薬が処方されていたことがわかった。クリニックAに問い合わせ後、削除となった。

【推定される要因】

患者は複数の薬局を利用しており、お薬手帳を薬局ごとに使い分けていたため、これまで処方箋を受け付けていた薬局は重複処方に気づかなかったものと思われる。

【薬局での取り組み】

今後もお薬手帳の確認を徹底する。お薬手帳の活用方法を指導していく。

【機構からのポイント】

お薬手帳を適切に使用できるようサポートすることが求められる。お薬手帳の確認はもちろん、口頭でも手帳に期しあのないものも丁寧に確認することが必要である。

薬剤の重複が解消した後は、患者の体調変化の有無についてフォローアップを行うことが望ましい。

私見:今回のことに限ったことではなく、疑義照会して満足。とならないようにしなくてはならない。

今まで飲んでた薬がなくなったら、血圧はどうなるか?半減期から抜けきるまでの期間をざっくり計算し、血圧を自宅ではからせ、定期的に電話確認を実施し、必要があれば病院に情報提供を実施するべき。)