薬局ヒヤリ・ハット共有すべき事例(2022年No5)
薬剤取り違え
【事例詳細】
リバスタッチパッチ18mgが処方されたが、薬剤師Aはニュープロパッチ18mgを取り揃えた。薬剤師Bが鑑査で間違いに気づいた。
【背景・要因】
どちらも同一規格があり、包装の色が紫色だった。
【薬局での取り組み】
リバスタッチとニュープロの配置場所を離し、それぞれの棚に「取り違え注意」のラベルを貼る。
【機構からのポイント】
リバスタッチパッチはアルツハイマー型認知症。ニュープロパッチはパーキンソン病治療剤。両薬剤の取り違えの報告は他にもあり、「包装の類似」を理由としている事例が多かった。
取り違えが起きても、患者の手に渡る前に気づくための仕組みが重要。調剤者と別の鑑査者が照合する、調剤監査支援システムなどの機器を導入する、交付時に患者と共に薬剤を確認する、など。
疑義照会・処方医への情報提供、投与日数
【事例詳細】
疥癬の患者に皮膚科からストロメクトール錠3mg 1回4錠 1日1回 寝る前 7日分が処方された。調剤、鑑査者は疑義を抱かなかったが、交付者が疑義照会した結果、1日分に変更になった。
【背景・要因】
処方医による投与日数の入力間違い、確認不足が推測される。
【薬局での取り組み】
投与量、投与日数などに注意が必要な薬剤の外箱や薬品棚にラベルなどを貼る。
【機構からのポイント】
ストロメクトールは 1.腸管糞線虫症 2.疥癬 に投与する駆虫剤。治療する疾患、患者の体重により投与量、投与間隔が定められている。
1.腸管糞線虫症 1kgあたり約200μgを2週間間隔で2回投与する。
2.疥癬 1kgあたり約200μgを1回投与する。
体重 15-24kg=1錠 25-35kg=2錠 36-50kg=3錠 51-65kg=4錠 66-79kg=5錠 80kg-=約200μg/kg
疑義照会・処方医への情報提供、手術前の服薬休止
【事例詳細】
80代の患者にバイアスピリン錠100mgが他の薬剤と一緒に30日分処方された。患者から、手術の予定があり予定日7日前からバイアスピリンを中止するよう指示があると確認した。疑義照会したところ、バイアスピリンのみ23日分処方となった。
【背景・要因】
処方医は継続薬をそのまま処方したと考えられる。
【薬局での取り組み】
手術前に休薬が必要な薬剤の有無、手術の予定の有無、休薬の指示の有無などを確認する。可能であれば休薬開始日に患者に電話し、休薬したか確認する。
【機構からのポイント】
手術・検査前後に休薬を検討する必要のある薬剤をリストアップし、業務手順にまとめるべき。