さくっと新薬

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薬局ヒヤリ・ハット共有すべき事例(2022年No6)

疑義照会・処方医への情報提供、薬剤の組成・性状

【事例詳細】

嚥下困難の患者にベタニス錠25mgを粉砕する指示があった。ベタニスは徐放性製剤であるため、疑義照会を行ったところ、トビエース錠へ変更になったが、トビエースも徐放性製剤であるため、再度疑義照会をし、ベオーバ錠50mgへ変更となり、粉砕することになった。

【背景・要因】

徐放性製剤を粉砕すると体内で有効成分が急速に吸収され副作用が発現するおそれがある。処方医の薬剤の製剤特性に関する知識が不足していたと推測される。

【薬局での取り組み】

粉砕指示があった場合は、可否を確認する。

【機構からのポイント】

粉砕・開封の適否を判断するには、徐放性や腸溶性の影響のほかに、物理化学的安定性や味・におい・刺激感などの変化、粉砕・開封によるロス、他剤との混合・混和による配合変化も考慮する必要がある。

疑義照会・処方医への情報提供、禁忌

【事例詳細】

在宅医療を受けている患者に、ビビアント錠20mgが初めて処方された。患者は1日中ベッドで横になっており、食事もベッドの上でとっている状態である。禁忌に「長期不動状態にある患者」であるため、処方医に活性型ビタミンD3製剤を提案した結果、エディロールカプセル0.5μgに変更となった。

【背景・要因】

処方医は骨粗しょう症の治療は専門外であったため、ビビアント錠20mgの禁忌に関する情報を知らなかったと思われる。

【薬局での取り組み】

薬局に来ることができない患者の処方せんを応需した際は、家族などから生活状況などを聴取している。

【機構からのポイント】

本事例で変更となったエディロールカプセル0.5μgは「エルデカルシトールによる高カルシウム血症と血液検査の遵守について」と注意喚起が行われている。

疑義照会・処方医への情報提供、不適切な疑義照会(用法)

【事例詳細】

エンレスト錠100mg 1回1錠 1日1回 朝食後 が初めて処方された。添付文書を確認し、1日2回経口投与であることを疑義照会したところ、高血圧症に対しての処方なので処方通りに調剤することとなった。

【背景・要因】

外箱に入っていた添付文書が最新かどうかを確認しなかった。

【薬局での取り組み】

添文ナビを用いて最新の添付文書を確認する。

【機構からのポイント】

2021年9月、エンレスト錠50mg、100mg、200mgに高血圧症が追加された。

添付文書の電子化運用が2021年8月から開始された。

PMDAのホームページやアプリ添文ナビを閲覧するのがよい。